LiD/APDかもしれないと悩んだら

“音”としては聞こえている。でも、“言葉”としては聞き取れない――「LiD」や「APD(聴覚情報処理障害)」と呼ばれ、海外の研究では人口のおよそ1%の人が当てはまるともされるこの症状。ようやく最近になって認知されつつあるものの、聴力は正常のため、その困難さが理解されにくく、悩みを抱え込む当事者が少なくありません。

もくじ

 

LiD/APDとは

聴力は正常で音は聞こえているのに、言葉としては聞き取れない、聞き間違いが多いなど、音を言葉として聞き取ることが困難な症状を指します。

症状の個人差は大きく、当事者の方への取材でも

  1. ●喫茶店などで隣のテーブルの話し声が聞こえてしまい、話に集中できない
  2. ●早口や複数人の会話になるとついていけない
  3. ●体育館やコンクリート打ちっぱなしの空間など、音が反響する場所は余計に聞き取りづらい

など「聞き取りづらさ」の感じ方は様々でした。

 

LiD/APDかもしれないと悩んだら

専門家の阪本浩一さん(大阪公立大学大学院 耳鼻咽喉病態学 准教授)によれば、耳から入った音の情報を言葉として理解することが必要な「聞き取り」には、脳の情報処理や認知機能が関わっていると考えられています。「LiD/APDかも?」と悩んだら、まずは近くの耳鼻科を受診してほしいと言います。
聴力検査を通して、LiD/APDとは別の聞き取りづらさの理由が見つかることもあります。LiD/APDの可能性が高いと判断されたら、さらに専門の医療機関で詳しい検査をすることで、自分の症状の特性を知り、適切な対処法やサポートを探していくことにつながります。ひとりで抱え込まず、相談してみてください。

 

LiD/APD関連情報

『当事者ニーズに基づいた聴覚情処理障害診断と支援の手引きの開発』公式ホームページ

番組に出演した医師の阪本浩一さん(大阪公立大学医学部附属病院)が代表を務める、LiD/APDに関する研究のホームページです。日常の対処法や診断できる医療機関一覧などが掲載されています。

全国の当事者会

近畿LiD/APD当事者会(任意団体)

対象地域:近畿地方、オンライン

メール:apd.kinki@gmail.com

APD当事者会 APS(APD Peer Support)

対象地域:東京都

APDあおもり当事者の会

対象地域:青森県

三重APD/LiD当事者会

対象地域:青森県

そらのにじゅうまるかい(APD/LiD部門)

対象地域:主に北海道とオンライン

メール:ho.soranokai@gmail.com

LiD/APD当事者会 imua (東京)

対象地域:東京都、東京近郊

 

(民間の支援団体等については、番組の取材先を中心に掲載しています)