「外国につながりがある人」 基礎情報と相談窓口

もくじ

外国につながりがある人

日本で暮らす外国籍の人は、2023年12月末の時点で340万人を超え過去最多に。また近年では、「技能実習」や「特定技能」で働く人の増加が目立っています。「外国につながりがある人」とは、上記のような日本で就労したり就学したりして暮らす外国の人だけでなく、両親またはそのどちらかが外国出身で日本国籍の人なども含めた人たちのことを総合的にいうことばです。

留学や就職や結婚で日本にやってきた人、難民として日本にやってきた人、日本で生まれ育った人など、その状況はさまざまです。

さまざまな困りごと・必要な対策や支援

『在留外国人に対する基礎調査』によると、日本での生活に満足していない理由は、「給料が安いから」の割合が最も高く24.7%にのぼりました。次いで、「物価が高いから」が19.5%、「外国人に対する差別があるから」が18.1%、その他、「就労環境が悪い」「在留資格が取得しにくい」「日本文化や習慣が合わない」など、さまざまな困りごとや難しさを抱えていることがわかります。(令和4年度 出入国在留管理庁)


日本語に関すること

「日本語教室・語学学校等の利用・受講料金が高い」「都合のよい時間帯に利用できる日本語教室・語学学校がない」などが日本語学習の場や、「公的機関での多言語・やさしい日本語での情報提供がなかった」など情報提供の場での困りごとを抱えています。土日祝や夜間など仕事や学校がない時間帯の日本語学習の機会や、多言語での情報提供が求められています。


就労に関すること

仕事の困りごとは、「給料が低い」「採用・配属・昇進面で日本人と比べて不利に扱われている」「労働時間が長く、休みがとりにくい」などの声が多く、職場環境の改善が求められています。また、技能実習生など日本語の習得が十分でない人へは、「日本語やマナーについてのサポート」が求められます。


差別に関すること

家を探すときになかなか借りることができなかったり、仕事をしている時や探すときに不利に扱われたり、公的機関や銀行・カードなどの手続きの時に十分な情報提供が行われなかったり、困りごとを抱える場面が多くあります。また、インターネット上でのヘイトスピーチなど、間接的な差別や偏見も存在しています。


医療・災害に関すること

自分の症状にあう診察・治療を受けられる病院がどこにあるかわからなかったり、病院で症状を正確に伝えられなかったり、病気やケガなどの時に困りごとを抱える人が多くいます。また、災害時には、信頼できる情報をどこから得られるのか、支援策の利用方法や避難所の場所など必要な情報が届かないという声があります。命にかかわる場での、スムーズな情報提供への対策が求められます。


子育て・教育に関すること

妊娠・出産時には、「費用が高い」「学校や仕事が続けられるか不安」「相談先がない」などの困りごとを抱えるケースがあります。教育に関しては、「養育費が高い」「子どもが日本語を十分に理解できない」「先生とコミュニケーションがうまく取れない」など、子どもの学習の妨げになる状況があり、行政や教育機関における個別の対応が求められます。


在留資格に関すること

外国籍の人が日本で暮らすためには就学や就学など目的に応じた在留資格が必要です。しかし、さまざまな事情で在留資格を失い「オーバーステイ」する人が、およそ7万人います(2023年1月現在)。その場合、退去強制手続が行われ、入国者収容所や地方入管局の収容所に収容されますが、病気その他やむを得ない事情がある場合には、一時的に収容を解かれる「仮放免」となります。しかし、仮放免中は、就労は禁止され、医療保険にも入れません。このような不安定な状況の人に対する周囲の人からのハラスメント被害も起こっています。
また、親だけが日本での在留資格を失い入国者収容所などに収容されてしまった場合には、子どもが取り残されてしまうこともあり、そうした子どもに向けた支援対策が求められています。

相談窓口・支援団体※NHKサイトを離れます

相談窓口
外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)

日本で暮らす外国人の在留を支援する政府の窓口が集まり、外国人からの相談対応、外国人を雇用したい企業の支援、外国人支援に取り組む地方公共団体の支援などの取組を行っています。電話やオンラインの相談に多言語で対応しています。

情報提供サイト
外国人生活支援ポータルサイト

日本で暮らすうえで必要な情報を、外国につながりがある人や支援者に向けて提供するサイト。生活情報や就労・教育に関する情報、在留資格や年金・介護保険など制度についてなど、さまざまな情報がカテゴライズ別に検索でき、多言語で掲載されています。

生活・就労ガイドブック

外国につながある人が、日本で暮らすうえに必要な情報がまとめられたガイドブック。16か国語とやさしい日本語版があります。

つながるひろがるにほんごでのくらし

日本語学習機会がない人や、日本語を初めて学ぶ人が、日常生活のさまざまなシーンに合わせた日本語を、テキストと動画で学ぶことができる文化庁のサイト。18言語に対応しています。

(民間の支援団体等については、番組の取材先を中心に掲載しています)

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