
「うつ」の経験者や家族の体験談~うつサポート情報室より~
精神科への入院ということ自体に強い反発を覚え… 徐々に病を受け入れ、病院での夏が忘れられない体験に
東京都 / 女性 / 30代
恋愛が引き金に、さらに過労が重なってうつ状態になり、2年8ヶ月治療を受けています。この夏、入院するまで、誰とも会いたくなく、カーテンを閉め切り、電気をつけることができませんでした。電話が鳴らないように設定し、テレビもつけることができず、音に敏感になり、少しの物音にも恐怖を覚え、完全に閉ざされた世界にいたように思います。眠くなるように処方された薬を、基準量を超えて飲み、現実逃避のため、ただひたすら眠ることをのぞみました。
お風呂にも入ることができませんでした(週1回程度)。起きた時間(昼夜構わず)に、同じ服装で同じコンビニエンスストアに通い、大量の食べ物を購入してそれを一日で食べつくし、2週間ほどで約15kg太ったことが、とてもショックでした。主治医には、その頃から、私の状態がよくないため、通院を週1回に設定されていたのですが、電車に乗ることもできないので、タクシーで通う始末でした。また、通院の頻度が増えたこと、かつ、私の状態が改善しないこと、主治医自身が激しく多忙なことにより、「あなたには他のひとの倍の時間をかけてみている、これ以上どうしろというのか」と嫌味を言われたことがあり、医師への信頼が崩れ、通院そのものに、徐々に強烈なストレスを覚えるようになりました。病院を変えたいと動いてみたものの、なかなかいい病院はみつからず、仕方なく薬をもらうためだけに、通院を続けざるを得ませんでした。
主治医には、「僕には手に負えない」と、生活を立て直すための入院を勧められはじめたのですが、入院となれば、誰かと接することは必至なので、それがたまらなく嫌でした。しかも精神科への入院ということ自体に強い反発を覚え、なかなか決断できず、生活はまったく変わりませんでした。
しかしある日、過去の辛苦体験のフラッシュバックにより、号泣して過呼吸を起こしたのがきっかけで、その日たまたま通院することになっていた主治医のもとに行き事情を話すと、「即入院」が決まりました。私の中でも、ふと「すべてがリセットできるかもしれない」と思えたのが不思議でした。実際に入院してみると、そこで目にしたさまざまな方々…はじめはショックを受けましたが、徐々にそれが受容に変わり始め、自らの治療のためというよりは、そこでとても貴重な体験をするための、私にとっての必然の出来事だったように思えました。
もし病気になっていなければ、決して見ることの無かった世界。みな、同じ人間であり、たまたま病気になってしまったひとびと…とてもピュアで、笑顔が優しく、邪気がなく、彼らの存在に、私はとても癒されたのです。間違い無く、忘れられない夏になりました。
私の家の近くに、大きな精神病院があります。退院後、そこでボランティアを求めていることを知り、入院されている方々と似たような「つらい気持ち」を体感した身として、微力ながら何かお手伝いを…と、応募してみました。これも、私の中では大きな一歩です。うつ…ひとことでは言い尽くせない様々な症状、そうなってしまった原因も人それぞれで、そのテリトリーに踏み入ることをしてはなりませんが、「共感」を通じて、今の私なら、その過程で、また新たな世界を得られると信じています。
情報がいとも簡単に入手しやすい時代だからこそ、うつ病に関しても、逆にあらゆる情報に翻弄されて混乱する方も多いかと思います。メンタルの病は、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、それだけ心が繊細で、清い、ということを誇りに思ってほしい。もちろん自分も含めて…ですが。
少しでもおかしいな?と感じたら、ぜひ病院の門を叩いてください。人は、ひとりではありません。必ず、助けてくれる人がいます。
お風呂にも入ることができませんでした(週1回程度)。起きた時間(昼夜構わず)に、同じ服装で同じコンビニエンスストアに通い、大量の食べ物を購入してそれを一日で食べつくし、2週間ほどで約15kg太ったことが、とてもショックでした。主治医には、その頃から、私の状態がよくないため、通院を週1回に設定されていたのですが、電車に乗ることもできないので、タクシーで通う始末でした。また、通院の頻度が増えたこと、かつ、私の状態が改善しないこと、主治医自身が激しく多忙なことにより、「あなたには他のひとの倍の時間をかけてみている、これ以上どうしろというのか」と嫌味を言われたことがあり、医師への信頼が崩れ、通院そのものに、徐々に強烈なストレスを覚えるようになりました。病院を変えたいと動いてみたものの、なかなかいい病院はみつからず、仕方なく薬をもらうためだけに、通院を続けざるを得ませんでした。
主治医には、「僕には手に負えない」と、生活を立て直すための入院を勧められはじめたのですが、入院となれば、誰かと接することは必至なので、それがたまらなく嫌でした。しかも精神科への入院ということ自体に強い反発を覚え、なかなか決断できず、生活はまったく変わりませんでした。
しかしある日、過去の辛苦体験のフラッシュバックにより、号泣して過呼吸を起こしたのがきっかけで、その日たまたま通院することになっていた主治医のもとに行き事情を話すと、「即入院」が決まりました。私の中でも、ふと「すべてがリセットできるかもしれない」と思えたのが不思議でした。実際に入院してみると、そこで目にしたさまざまな方々…はじめはショックを受けましたが、徐々にそれが受容に変わり始め、自らの治療のためというよりは、そこでとても貴重な体験をするための、私にとっての必然の出来事だったように思えました。
もし病気になっていなければ、決して見ることの無かった世界。みな、同じ人間であり、たまたま病気になってしまったひとびと…とてもピュアで、笑顔が優しく、邪気がなく、彼らの存在に、私はとても癒されたのです。間違い無く、忘れられない夏になりました。
私の家の近くに、大きな精神病院があります。退院後、そこでボランティアを求めていることを知り、入院されている方々と似たような「つらい気持ち」を体感した身として、微力ながら何かお手伝いを…と、応募してみました。これも、私の中では大きな一歩です。うつ…ひとことでは言い尽くせない様々な症状、そうなってしまった原因も人それぞれで、そのテリトリーに踏み入ることをしてはなりませんが、「共感」を通じて、今の私なら、その過程で、また新たな世界を得られると信じています。
情報がいとも簡単に入手しやすい時代だからこそ、うつ病に関しても、逆にあらゆる情報に翻弄されて混乱する方も多いかと思います。メンタルの病は、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、それだけ心が繊細で、清い、ということを誇りに思ってほしい。もちろん自分も含めて…ですが。
少しでもおかしいな?と感じたら、ぜひ病院の門を叩いてください。人は、ひとりではありません。必ず、助けてくれる人がいます。
2019年05月11日 01時02分
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